テレビに取材される・テレビが取材したくなる「情報提供の仕方」

新製品発売、記者発表を行う、周年事業がある…
企業において「テレビに取材されたい」と言うニーズが高まる機会は様々ですが、
テレビ番組への情報提供も、その内容によって重要なポイントは異なりますし、他のメディアと大きな違いもあります。

テレビ番組に取材される確度が高めるには、どのような「情報提供の仕方」が効果的なのでしょうか。

テレビ業界・番組企画の仕組みについて理解しよう

メディアに情報を発信するとき、そのメディアの特性を知ることがまず必要です。
専門紙、女性誌、全国紙、ラジオ…各々必要な情報と必要なタイミングは異なります。特にテレビは、生放送の報道・情報番組と、ゴールデンタイムのバラエティ番組などで必要となる情報とタイミングに大きな差があり、細かく言えば1つの番組の中でもコーナーによって必要なタイミングは異なります。

番組企画は、どのように成り立つか。報道・情報番組と、バラエティ番組とで大別して考えます。

企画の発露からの大まかな流れ
企画立案からロケや収録、編集まで、共通する大まかな流れは同じです。
1)発案・企画立案:現場ディレクターからアイディアが提示されることもあれば、プロデューサーや放送作家主導でテーマが決定する場合もあります
2)企画書作成:立案者がコンセプト・ターゲット・フォーマットや大まかな内容を1-3枚のドキュメントでまとめることが多いです。
3)番組会議:企画案をもとに、詳細のロケ場所・演出内容が話し合われ、微調整されて企画決定していきます。
4)制作準備:キャスティングやロケ場所との調整、収録の場合は美術品の準備などこまごまとした作業が行われ、番組スタッフ全体が動き始めます。
5)ロケや収録:バラエティ番組の収録や、報道番組の特集コーナーではVTRをスタジオで出演者らが観る内容が多く、これら本番の前にVTRの編集が行われます。
6)編集とPV:編集しただけでは終わりません。制作Pや局Pのチェックを経て、バラエティ番組の場合はNA・MAと言われる、ナレーション録り・音の調整を行うためにスタジオでの編集作業が最後に行われます。


報道・情報番組の場合
生放送であることが大きな特徴です。報じる内容は日々のニュースや時節、トレンドに大きく左右されます。
編集は放送直前まで行われ、編集しながらプロデューサーや放送担当のチーフのチェックを受けて放送される、いわゆる「撮って出し」の状態が日常茶飯事です。
一番タームが短いもので、夕方の報道番組の内容がその日の朝決まり、14時頃までに撮影を終えて編集、16時頃から始まる本番ですぐに放送されるコーナーもあります。

ただ、取材依頼が急だからと言って、企画検討も思い付きでなされているわけではありません。情報共有は一か月くらい前から始めるのがポイント。チャンスが生じたとき、番組の中で取材ニーズが高まった時に思い出してもらえなければ、その機会も生まれません。

制作者は日々ニュースや情報に追われているため、分かりやすいキーワードとビジュアルで情報を提供すること、直近のニュースや時節の内容に合致していることを前振りとして付け加えると、制作者の目に留まりやすいです。
また、せっかく問い合わせを受け手も即時対応できなければ取材を請けることが出来ません。商品貸出・現場取材・取材応対者のアサインなどがすぐに行えるように準備しておくことも必要です。


バラエティ番組の場合
番組によっても2本録り/4本録り、隔週/その都度出演者のスケジュール次第で収録日調整、などタイミングは様々ですが、生放送の番組と大きく異なるのは、2-3か月、時期によっては4ヶ月ほど企画検討が先行していること。NHKは、生放送の番組でも半年先までざっくりと企画を決めている場合もあります。
情報共有は早ければ早い方が良いというのと、その番組企画に合わせたサイドストーリーを補足情報として提供するとよい、と言うのが他のメディアへの情報提供と大きく異なる点です。
サイドストーリーとして、
新製品プロモートでもランキング・比較の企画などにはその製品以外の自社製品売れ筋ランキングも合わせて提示しておく
企業や工場に潜入する企画向けには、開発秘話や技術の特色、開発者の横顔などにも触れた資料を提示しておく
等が一例として考えられます。

訴求ポイント

ニュースリリースはタイトルが命!とか、
独自性・革新性・新奇性を「ニュース性」として捉えらえれます!とか、
PRの指南書などに記載されていることが多いですが、そんな簡単にユニークで目新しくて革新的な新製品・サービスの情報が早々あるわけではないですよね。
タイトルだって、企業によってはトンマナの制限があると思います。

まずは小手先の技術でなく、メディアに対する情報提供は、分かりやすいことと、最大限は早めの情報提供を心がけることが肝要です。
それに加えて、特にテレビは、ビジュアル重視。動画で何が撮れるのか、想像できるリリース・資料が望ましいです。

動画で撮れる要素もないよな…と言う場合には、巷のトレンド・ニュース・時節と絡めたキャッチコピーをつけて、ストーリー性を高める情報提供を心掛けると目に留まりやすくなります。

テレビ番組への情報のとどけ方

情報の届け方には、
●リリース ●記者発表イベント ●個別プロモート
等が挙げられますが、大事なのは「How」でなく「Where」。適切な情報を、適切な媒体に届けることです。

同じテレビ番組であっても、ドキュメンタリーやバラエティ番組向けの情報を、報道番組に送っていても合致しないと判断されて見向きもされないですし、
実はこの「どの番組に何の情報を届けるか」が一番一般企業様には難しいところで、一律リリースを配信するくらいしか手段がない…と思われる企業が多いと思います。

テレビ番組の特色を知るには時間がかかります。
外部リソースを使うには、実はこのあたりの情報を得るために予算をかけると考えた方が、重要性が理解できると思います。

内容は自社で検討、タイミングや媒体選定は外部の手も借りてみる

内容は、工夫次第でまだまだ改良すべき点があると思います。
まずはリリースから工夫し、社内理解も得られるようになったらSNS(速報はX、ビジュアルやHowtoはIGなど)も活用し、盛り上げ施策を工夫してみましょう。
タイミングや媒体選定が難しい場合は、最初は外部リソースを使ってみると早く感覚をつかむことができると思います。

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