「番組を制作する」というテレビPR手法

テレビパブリシティは、「番組の中」で企業の商品やサービスの情報を“紹介してもらう”こと。地上波テレビパブリシティの価値は、その「公共の電波」の中で取り上げるべき内容としてメディアに捉えて頂くことにあります。
多くは既存の番組の中で行いますが、「番組を(スポンサーとして)制作し、その中で取り上げる」手法をご提案することもあります。
ただ、スポンサーするだけでは番組の中で商品やサービスを紹介することはできません。それこそ「ステマ」になってしまいます。
どうしたら「ステマ」「やらせ」「わざとらしい」ものでない、テレビパブリシティになるでしょうか。

「番組制作をする」こと

既存の番組は、番組企画が先にあって、その番組ターゲットや放送時間帯を加味して、企業が提供を申し出る形でスポンサーが決まってきます。
特番制作は、通常の番組制作とは異なり、放送枠を押さえるための手順が必要です。

1)企画の作成と予算の確保
 ここが一番のPRパーソンの手腕の見せどころ。通常は広告・宣伝の担当・予算である「番組枠のスポンサー」というCMを流すだけでなく、特番の中身で自社の商品やサービスを魅力的にかつ自然に、番組にとって必要不可欠な内容に演出していく必要があります。
 その企画を考えること、予算の範囲内で制作できる内容に収めること、などを念頭に企画制作していきます。

2)放送枠と制作スケジュールの調整
 放送局との契約により特別な放送枠を確保する必要があります。現状の地上波だと、土日のお昼前~17時頃までに編成されることが多いです。
 だいたい放送日の1-2週間前に納品、その1週間程度前に最終考査にかけることが多く、これに制作内容を加味して、制作スケジュールを調整していきます。

3)番組考査
 特番の場合は、企画書の段階で第一考査、台本の段階で第二考査、映像で編集した後に最終考査があります。
 企画書の段階でだいたい制作側の希望と、テレビ局側の禁忌事項はすり合わせられるため、企画書を通す最初の考査が最もカロリーが高く、肝要です。

4)キャスティングなど制作準備
5)撮影や収録、編集
 企画がかたまったら、あとはスムーズに自社商品・サービスのアピールがいかに自然にできるか、その中でも番組がより面白いものになるか、準備を進めていきます。

上記の手順を経て、放送に至ります。

番組企画は番組制作者のもの

スポンサーとして番組枠を買えば、必ずその番組で商品やサービスが紹介できるわけではありません。それこそステマになってしまいますし、それは番組ではなく「インフォマーシャル」になってしまいます。

番組を作るのは番組制作者。面白い番組を作るプロです。
あくまでこの番組制作者の人たちに、「自社の商品やサービスを番組の中身に取り入れてたい、必要不可欠」と思ってもらえることが、番組の中身で紹介できる唯一の方法です。その点は、既存のテレビパブリシティと変わりありません。

「枠を買う」ことが出来るのは広告代理店の特権

一方、番組の放送枠を買うことができるのは大手広告代理店にしかできません。

豊富な広告市場における知識と経験、それに伴うテレビ局との交渉力と信頼関係において、特に在京キー局の地上波で枠を買うことができるのは特定の広告代理店に限られます。
では、PRパーソンはどこで役割を担うのか。

その橋渡しをできるのは…

この番組制作者と、広告代理店(=放送枠を握るテレビ局)との橋渡しになるのが、PRパーソンや外部のPR会社です。
日頃、我々がテレビパブリシティを既存の番組で仕込むことと同じ思考・作業を以て成立させていきますが、既存番組のテレビパブリシティと異なるのは、スポンサーとして、当たり前にまずその商品やサービスに関連した企画にすることができる点で、最初のハードルを下げることができるのです。

PRパーソンの希望と、番組としての演出アイディアの、落としどころを一緒に作り上げ、面白いものが出来上がり、さらにその中で自然に商品やサービスを使いたいと思わせる内容になっていくのが理想の特番制作です。

私たちウエ・コーポレーションでは、これらはよく医療番組で疾患啓発の一環としてご提案してきましたが、最近では、既存の番組に取り上げてもらうよりも多くの予算がかかりますが確実性が高いメニューとして、他の案件でもよくご提案しています。
最近では、番組制作会社とスポンサー自体が懇意になって特番制作を成立させることも増えてきていますが、スポンサー側にテレビの事情に深く精通したPRパーソンが居ない場合は、私どものようなPR会社がこの橋渡しになって、客観的にどちらの立場も理解して、特番制作をスムーズに進めることができるのです、

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