テレビ番組の中継先に選ばれる3パターン・3要素

旬の食材の紹介、開催中のイベントのリポート、普段は見られない場所に潜入――

各番組趣向を凝らし、リポートするアナウンサーが体を張って魅力を伝える中継コーナーに、忙しくてもつい手を止め、見入ってしまう人も多いのではないでしょうか。
コロナ禍では自粛されていた分、特に最近では、ほぼ毎日各地から中継を結び、その地域ならではの景色や特産物を紹介している番組も多く戻ってきました。

朝の情報番組、夕方のニュース番組…「今日は農家か」「また物産展やってるー」などとご覧になっているかもしれませんが、各時間帯で扱っている中継コーナーのテーマは、番組趣向や時間帯によって、選別される特徴が少しずつ異なります。
単純に「今が旬の産物だから!」「北海道物産展だから!」というわけではない、選ばれるためにはその特性を知って打ち出すと、格段に取材問合せを呼び込むことができる可能性が、広がります。

中継先の3パターンの傾向

情報・報道番組の、中継先のパターンは大別すると3つに分けられます。

  • 視聴者が体験できるスポット
  • 視聴者が日頃見られない裏側に潜入
  • 普段通りの「賑わい」が見せられる場所

  • 視聴者が体験できるスポット

私たちが番組に提案する際にも、最初のフィルターになることが多いのが、「テレビを観ている人が行ってみたい!と思える」場所かという点です。
フジテレビの夕方の報道番組や、TBSのお昼の情報番組では、観ている人が足を運んだり、紹介した商品を購入できたりするかどうかが、中継先選定の大きなポイントとなっていると言われます。

そのため、開催中のイベントをリポートする場合も、「今日まで開催です!」よりも、中継した日から1週間以上実施しているイベントの方が、テレビを観ている方に来ていただける内容として受け入れやすいと想定されています。

  • 視聴者が日頃見られない裏側に

テレビを観ているとよく聞くのが「今日は特別に〇〇にお邪魔しています~!」。
「視聴者が体験できるスポット」とは相対するようなシチュエーションで中継をしている番組もあります。

例えば日本テレビの朝の報道番組では、生産の最盛期を迎えている町工場では原材料の特徴や流れ作業がスムーズに続く機械などを取材し、普段は見ることができない臨場感あふれる映像を届けています。春先のランドセル工場、夏祭りの和太鼓の製作工房…いずれも季節感が感じられ、どのように作られているのか見入ってしまう現場からの中継映像が届きます。

「視聴者が体験できる場所」でない場合は、普通では見られない裏側を紹介することで映像的迫力を増すこと、私たちの生活と関りが密接なものを紹介することで視聴者を飽きさせないこと、これらの趣向が凝らされて成立しています。

  • 視聴者が日頃見られない裏側に潜入

特別に裏側を紹介するのではなく、いつもの様子を伝えたいという中継コーナーもあります。
例えばTBSの朝の番組では、あくまでもその時間帯に営業または準備をしているお店から、普段の様子を伝えることにこだわって中継スポットを選定しています。
グルメ情報を提供できる場所に限定し、24時間営業しているラーメン店や、開店準備中のベーカリーなどで試食・レポートする中継で、朝食の準備や食事中の家庭でも違和感なく視聴できる内容を目指しています。

中継先の3要素

中継のコーナーは放送されているネットワーク局や、時間などを考えてのエリア選定、放送尺を埋められるほどの情報量があるかどうか、なども条件になってくるので、物理的に選ぶことができないという部分も出てきます。

どの番組でも、どのパターンでも、一貫して言える要素が3つあります。
1)季節感
2)トレンド感
3)親近感

の3つの“感”です。子どもからお年寄りまで共通して感じることができるこの3つの“感”の要素が多いと、中継先として選ばれる可能性が高く、私たちはクライアント様のこれらの要素を一緒に作り上げ、掘り起こすお手伝いをしています。

まとめ

明日からの中継も、3つの“感”を感じながらぜひ見てみてください。これまでと見方がちょっと変わるかもしれません。

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