記者説明会などのラウンドテーブル、試食会などのタッチアップのご相談が増えてきており、コロナ明けを実感します。
3年ぶりの実施となるせいか、「基本のキ」からご説明することが多いので、改めて記者説明会などの基本と、取材を獲得するための要素を考えたいと思います。
準備の基本
記者発表などの規模の大きなものにしても、
ラウンドテーブルのような規模の小さなものにしても、
準備する手順は大きくは同じ、大別して5ステップになります。
1)目的・ターゲット・意義を明快にしたうえで、当日の企画立案
2)当日の実施の準備(会場・司会・資料・プレゼンテーションや手土産などのチャーム)
3)2)を詰めながら構成と台本の資料作成
4)出席者誘致
5)実施、アフターフォロー、反響の確認(クリッピングなど)
ここで最も重要なのは1)です。
誰に対して説明・周知するものなのか、これがブレると実施内容の魅力度を作り上げることはできませんし、逆にどのように伝えたらよいか、どういうプレゼンテーションが喜ばれるかなどを考えるときも、1)に立ち戻ればアイディアも出やすくなります。
関係者と、メディアに対してでは、興味を持たれる部分も変わってきますので、インナー向け・プレス向けと同日に行う場合は2種類の台本を用意することをお勧めします。
来場者の確保のポイント
いざ企画をしたものの、来場者が来なくては意味がありません。
来場者を確保するためには、
●来場しにくい場所で無いか
●出席しにくい日程で無いか
を確認しましょう。
アクセスしやすい場所かどうかのチェック、
日程は月末月初や連休明けなど、企業人が忙しいと想定される日を避けるなど。
どうしてもこの日、この場所、というのもあると思いますが、その場合は早めに案内したり、駅から遠い場合は駐車場や送迎バスを確保するなど、対策を立てることが来場者の確保に繋がります。
露出獲得のポイント
メディア向けの場合、社内から「露出獲得」を目標とされることも多いと思います(「目的」でなく、あくまでも「目標」であることを社内に理解してもらうことが重要!)。
露出獲得のためには、大前提として、
「目的となる“情報”をきちんと持ち帰ってもらう」こと、が重要になります。
記者説明会・ラウンドテーブルなどの場合
記者説明会やラウンドテーブルなどの場合、“情報”は、企業が発信するプロジェクトに関する全容を詳しく伝える必要があります。
●分かりやすい資料
●具体的数値
●写真や映像などのビジュアル
●経緯(過去)・経緯を踏まえてどのような発表内容の詳細(現在)・展望(未来)がストーリーになっているか
この辺りは、プレスリリースを書く際と、似たような留意点になります。
芸能イベントが伴っていれば、
イメージに沿ったキャスティング、芸能トピックとなりやすい登壇者に合わせたトーク設定、話題となる衣装など、タレント事務所と綿密に打ち合わせることも重要です。
試食会などタッチアップの場合
商品やサービスを試していただく試食会などのタッチアップの機会の場合は、とにかくプレゼンテーションを工夫すること。
●試しやすい数・ディスプレイ方法を検討する
●撮影用とタッチアップ用を別に用意する
●撮影しやすいライティングなどをケアする
●デモや質疑応答ができるスタッフを十分に確保する
●プレゼンテーションの内容に沿ったチャームを用意する
ことで、体験したことの興味関心が醸成され、記事化に繋がります。
まとめ:最後の最後で目的と手段を勘違いしない!
準備を重ねると、最後の最後で「何で当日翌日に露出が出ないのか!?」となる企業様も多いと思いますが、原因が必ずあります。
また、テレビの「特集」や新聞の「ヒト」欄のような“企画モノ”でなく、記者説明会の後に露出する「ストレートニュース」は当日の事件事故などのニュースのラインナップと鑑み、“飛ぶ”ことも多い。芸能イベント・記者発表・記者説明会など、その登壇者やニュースのバリューに限らず、そのリスクは必ずあります。
もちろん費用と時間をかけて実施するものですから、露出という成果が必要になるのは企業として避けられないと思いますが、目的はあくまで「(メディアや関係各所などの)ステークホルダーに理解・周知してもらうための機会」であると捉え、「露出という果実が実るためには、何をすればよいか」に注力して可能性を高めるようにしたいものです。