もうすぐ一年も終わり。新たにSNS管理の担当者に任命されたり、新しいプラットフォームを試すように指示される広報担当者も多いかもしれません。
私どものクライアントのように、PR会社に完全に任せる場合もありますが、自社で実施する場合でも外注する際にも、まず必要な最初の5ステップを紐解いていきたいと思います。
最初の5ステップ
1)目的とターゲットオーディエンスの設定
何を発信するのか、だれに発信するのか。
ブランドの認知拡大のためか、顧客とのコミュニケーション強化なのか、商品やサービスのプロモーションか、などが考えられますが、この観点をしっかり決めておくことが、情報発信のカギとなります。
コンバージョンの結果が思わしくなかったり、すぐにリアクションが得られないと、管理者としては心配になってしまうもの。不安になった時のために立ち返れる目的とターゲットの確固たる設定が肝要です。ペルソナまで決めておくとよりテーマなどを決めやすいでしょう。
2)テーマと頻度の設定
更新の空白を防ぐためにも、アカウントを開設して最初に投稿するまでに、投稿テーマをいくつか決めておいた方が楽だと、私どものクライアント様にはお勧めしています。
ブランドの認知拡大のためなら、「開発ストーリー」や「ブランドのコンセプト策定までの道程」、「企業の歴史」など。基本的にSNSは「ファン形成」に適した手段としているので、よりよくブランドや商品に対して因数分解したテーマを設定しておきましょう。
プラットフォームによっても適切な頻度が異なるので、次項目で詳しくみていきます。
3)プラットフォームの選択
プラットフォームは基本的には目的とターゲットによって策定のお勧めをしています。Facebook、X、Instagram、最近ではTikTokを導入する企業も増えていますし、国内利用者数が最も多いLINEを活用する企業も増えています。動画媒体では、TikTokよりYouTubeの方が利用者は約2倍、国内に限れば約6倍も多いですが(22年末現在)、ショート動画の活用が、企業には好まれています。
Xは日本では大人気だけれど世界的にはTikTokの方がユーザーが多いとか、 LINEはプッシュ型の情報発信ツールとしてはよいが拡散できないなど、各々の特性があるので、一般的には
●HPの代わり、またはHPを補完する公式情報を更新したいならFacebook
●即時性の高い情報やキャンペーンが多いならX
●見栄えする商品やシーンを想定できる投稿が出来る商材ならInstagram
●主に若年層に向けて動画の方が伝えやすい商材ならTikTok
●飲食店のプロモーションにはLINE
とお勧めしています。TikTokと同じ動画をInstagramのSTORY投稿するユーザーも多く、この2つは合わせて管理するのも比較的楽です。
開設したら、プラットフォームに応じて適した投稿の仕方などもあるので、SNS管理は初めて、という企業様ならまずは1つ1つのSNSに注力して、休眠アカウント(開設はしたものの投稿頻度が少ない)のようにならないように心がけることをお勧めしています。
4)コンテンツの戦略策定
テーマ・プラットフォームが決まったら今後の戦略を、業務や発信テーマに対する自社のスケジュールと照らし合わせて先々の戦略の策定を行います。
5)アカウントの開設・投稿・モニタリング
いざ!アカウントを開設し、投稿したら、投稿し続けたら…それで終わりではありません。
目的に沿った、フォロワーやインプレッションを獲得できているか、モニタリングが必要です。
各々のプラットフォームにも分析ツールはついていますし、慣れてきたらより詳しく有料の専用分析ツールを使用することも有効です。分析ツールを使用してデータを収集・解釈します。これにより、効果的な戦略の見直しや最適化が可能になります。
オウンドメディアの中でも自社のSNS管理において、一番重要なこと
この5ステップが、準備~実施~分析までの一連のサイクルです。分析しながら、必要に応じてアンケート・広告・プレキャンなどキャンペーンを回すことを検討してみるとよいかと思います。
このサイクルを回しながらも、自社のSNS管理者が最も肝に銘じておくべきことは、「焦らないこと、継続すること」です。
SNSはプラットフォームの意向でコンバージョンの有効なアルゴリズムが頻繁に変わりますし、1週間継続したくらいですぐにフォロワーが何万人も集まるものではありません。思うような結果が出なくても修正しながら走り続けられるのがSNSの良いところですし、インプレッションの数が一定数伸びては踊り場に、また一定数伸びては踊り場に、を繰り返して伸びた方が、より目的である「ファン形成」に早道な場合もあります。
「焦らないこと、継続すること」
これを肝に銘じてテーマ設定を吟味していくよう、私どもでアカウント管理を請け負う際も、留意しています。