新発売でもない、業界トップでもない、ニュースもない、その事象・案件について特に語ってくれるヒトも居ない…
私たちPR会社においてはよくあるご相談ですが、インハウスの広報担当者の方も社内でこんな課題が降って生じることもあると思います。
どうやって情報発信をすれば、ユーザーの、メディアの、一般の関心を惹きつけることが出来るできるか、を考えるときに、
PRパーソンの発想・ネタ探しの仕方はどのように行っているか。
最も「社会性」「普遍性」が無いと取り上げてもらえないテレビパブリシティを中心としている弊社が社内でも大事にしている、ネタ探しの考え方・テクニックと発想の仕方をお伝えします。
日々の「ネタ探し」の心持ち
私どもが日々心掛けているのは「自分の年齢のプラスマイナス10歳のカルチャーは把握しておこう」ということ。
一般的な企業で20代~60代までいるとして、未就学児と80代以降はちょっと当てはまらないことになってしまいますが、
主な消費行動をするターゲットとしてはだいたいカバーできることになります。
都心に住んでいる人と郊外に住んでいる人では文化が違いますし、家族構成や性別などの違いも有りますが、私たちが流布したい情報の場は「マス」。そのマスの人たちも、「生きてきた年数・年代」を大きくとらえてターゲティングしていることが多いので、「プラスマイナス10歳の文化の把握」というのは理にかなっていると思います。
また、20代に「終活」についてリアルに想像するのは難しくても、「終活をする親を持つ子の気持ち」は想像できる。そう想定すれば、あらゆる世代からの視点で物事をとらえ、どこに一つの事象に対する興味関心を惹くポイントを探すことができると思います。
一つのニュースに触れるときも、±10歳の視点で。これが日々の「ネタ探し」の心持です。
日々の情報収集のテクニック・ツール
テクニカルのお話をすると、今はあらゆるツールがあるので、情報収集に困ることは少ないですよね。
慣れたツールを使えばよいと思いますし、メディアの情報は外部サービスを利用しています。
フリーでおすすめは、Googleアラート。
情報収集イコール仕事、みたいな私どもの業務には、ついつい「検索する」行為すらルーティン化しないこともあります。検索しているうちに他の興味関心に出会ってしまい、ただのネットサーフィンになってしまうという落とし穴も。
それらを避けるには、情報をキャッチアップしてくれる機能が有効です。
Googleアラートの良いところは、予め自分で設定したキーワード検索の結果をメールでお伝えしてくれるだけの機能ですが、このキーワードを設定する段階で情報収集の方針が固まりますし、PRしなくてはならない切り口の方向性を強制的に見出す作業が発生します。
さらにもう一つのメリットは、アラートしてくれること。タイトルと見出し文をメールでお知らせしてくれるので、無駄な情報に当たらなくていいし、わき道にそれてしまったりすることも少ない。
類似するサービスとしてGoogle Discovergle Discoverもありますが、最初に「キーワードを設定する」という作業がある分、精度が高いのと、やっぱりキュレーション的なサービスは自分の興味関心に引っ張られてしまうのでPRパーソンのツールとしては不向きです。
そのため、「スマニュー観てます」とか「Yahoo!のトップだけはチェックしています」というPRパーソンは少ないと思います。ニュースサイトはどれでもよくて、且つ弊社ではパーソナライズド広告に引っかかるような検索はシークレットモードで行うように推奨しているくらいです。
発想の起源 ~5つのポイント~
上記の「キーワード設定」のような、切り口の方針を決める、その「発想の起源」はどこに求めたらよいか。
「時節」と「現象」という、当たり前のことに尽きてしまうのですが、それを因数分解すると、
●季節、気温、気候の変化 (日本・日本人特有ですが、日々の営みに一番密接なものですからね)
●イベントごと・風物詩 (バレンタインよりハロウィンの方が経済効果が高いなど時代で多少の変化はありますが)
●売上 (結局数字で表す、というときに一番トレンド感が分かりやすい・企業が提示しやすいのが売上)
●ヒト (ランキング付けが難しいものなどはマニアのリコメンド、表現が難しいサービスなどは専門家や開発者が必要)
●バズ (そもそもバズを作るのがメディアなはずでそろそろ終わるトレンドだと思いますが…テレビ制作者はXとIGはよくリサーチに使っています)
から発送して切り口を設定し、それに付帯する情報を収集していくことが多いです。
まとめ
ずーっとテレビや新聞を見続けて、クライアントの商品・サービスと世の中のトレンドとの接点を探し続けるのが仕事の私たちにとって、自然と身についている発想の仕方とネタ探しの方法ですが、
意識しているのとしていないのでは、そのスピードも変わってくると思います。
PRパーソンとして(=ビジネスパーソン全体に当てはまるマーケティング思考だとは思いますが)、ぜひ心がけから実践してみて下さい。