「聞いてなかった」を防ぐ!メディアの信頼を獲得するテレビ中継成功術

間もなく夏休み。PRご担当者や我々PR会社にとっては、イベント等の取材誘致の業務が多くなるシーズンです。

テレビ番組の中継先に選んでいただくためのポイント・要素を以前まとめていますが、実際に中継の取材請け入れの準備をどのようにすれば、取材現場の最小限に抑え、より良い露出とメディアの信頼を獲得することができるでしょうか。

メディア誘致の段階から、その準備は始まっています。中継の企画はギリギリの日程で決まってくることが多く、取材誘致の折衝の途中で情報が変わったり追加されたりすると、「それ、もっと早く言ってよ…」ということになりかねない場合も。
取材対象者と取材者として、信頼関係を築き、より良い露出・スムーズな取材に繋げるために、しっかり準備をしましょう。

ロケハンまでに整理すべき3項目

生放送の「中継」という性質上、

★本番での「やり直し」が出来ない
★時間的制約がある
★スタジオから離れているため分かりやすくスタジオとも連携を取る必要がある

というのが他のメディア露出とは異なる注意点の特徴です。そのため、ロケハンから本番までの準備段階で、起こりうる問題を可能な限り予見し、対策を講じておくことが最重要課題となります。番組制作側との綿密な打ち合わせと、現場の状況を正確に把握することが、成功への第一歩です。

環境の把握

ロケハンでは、レポーターの動線設計では、カメラアングルと音声収録の品質を両立できる範囲を確認します。背景に映り込む要素(看板、人通り、車両など)も事前にチェックし、番組の趣旨に適しているかを判断します。中でも中継現場では、

●レポーターやカメラマンが歩ける導線、時間尺が許す移動距離
●音(騒音、BGMなど)や明るさ(照明準備のために事前にわかるとロケハンしやすい)
●中継本番時と完全に同じ状態が再現できない場合は、当日どのような状況になっているか

といった確認を行います。事前に、明らかに障害となりえる可能性がある場合は、ロケハン前にメディアにお伝えしておくことが肝要です。

技術面の確認

技術面では、

●車を置けるスペース(番組によって中継車+1台レベルのこともあれば、簡易中継だとマイクロ1台のみの場合も)
●中継電波の確認(障害物がないか)

を中心に確認しますが、車両駐車スペースの確認は特に重要です。中継車は一般車両より大型で、電源ケーブルや機材の搬入動線も考慮する必要があります。電波状況は建物の影響や周辺の電波環境によって変わるため、実際の中継予定時間帯での確認が理想的です。

時間軸の変化予測

ロケハン時と本番時の状況差は最も見落としがちなポイントです。
イベント会場なら設営状況、商業施設なら営業時間や混雑状況、屋外なら日照条件や影の位置、人通りや交通規制まで考慮する必要があります。
例えば「平日朝は通勤ラッシュで騒音が大きくなる」「雨天時は屋根下に移動が必要」など、具体的な代替案も含めて提案すると、メディアの方にも重宝がっていただける情報だと思います。

中継には多くの関係者が携わります。警備員、近隣店舗、通行人への事前説明や協力依頼を行い、本番時のトラブル回避に努めます。

テレビ中継は一発勝負の性質上、入念な準備と関係者間の密な連携が成功の鍵となります。受け入れ側としては、番組の成功に貢献するパートナーとしての意識を持ち、積極的な情報提供と柔軟な対応を心がけることが大切です。

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