在京キー局 テレビ 26年4月期改編動向

改編動向

新社会人の皆さん、おめでとうございます。
そしてその中から広報に携わる方へ、メディアリレーションで必須のテレビ局の動向について、4月・10月の改編は例年大型ではありますが、今期は特に各局大型改編になっています。
配信プラットフォームの拡大や視聴行動の多様化、個人・コア視聴率の重要性が高まる中、地上波の役割を「ファン獲得の起点」として再定義。各局とも自社のカラーを際立たせつつ、放送外展開(イベント・配信連動)を意識したコンテンツ開発が目立ちます。

日本テレビ:「誰かと見たい、が、一番見たい。」—家族と熱の共有を軸にファン層拡大

日テレは帯番組の変更こそないモノの(秋に『ミヤネ屋』の終了を控えていますが)「新しさ」「熱」「親子・家族の時間」をキーワードに、個人・コア視聴率の前年比プラスを明確に目指します。

金曜19時台に新バラエティ『金曜ミステリークラブ!!!』(千鳥ノブ、二宮和也MC)を投入。実話ミステリーを家族で推理する参加型フォーマットは、考察ブームを地上波で取り込み、親子視聴を促進する狙いが明確です。
また、音楽レギュラーを土曜夜の『with MUSIC』終了から深夜帯『夜の音 -TOKYO MIDNIGHT MUSIC-』(火曜24時台)へシフトし、『THE MUSIC DAY』などの大型特番の好調をレギュラーで支える布石に。
金曜アニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」の1時間拡大も、熱量の高いIPを増やし、若年・アニメファン層の定着を狙っています。

テレビ朝日:オールターゲット戦略の深化——世代別ニーズとクロスメディア展開

テレ朝は引き続き「あらゆる世代のニーズに応える」路線を堅持。主要4局の中では最も今回の改編率は低いです。
朝の新番組として、シニア向け『有働由美子の健康案内人!』(平日9:55~)と、子ども向け『よ~い!スターと!トビダスクール』(日曜朝8時)を投入し、幅広い生活者接点を強化します。
月曜深夜「ドリームエンタ」枠のリニューアルでは、東京ドリームパーク開業とABEMA連動を活かし、地上波・イベント・配信のシームレス展開を加速させます。この多角的アプローチは、PR視点で言うと「IPの360度活用」の好モデル。スポンサー企業がリアルイベントやデジタル広告と連動しやすい環境を整えています。

TBS:「見られるのはTBS系だけ」——Only1の独自性で選ばれる存在へ

TBSは「これを見られるのはTBS系だけ」をテーマに、差別化を強く意識。
月曜夜の大幅刷新が象徴的で、『CDTVライブ!ライブ!』に続く21時台『テレビ×ミセス』(Mrs. GREEN APPLE冠レギュラー化)、22時台『プロフェッショナルランキング』(坂上忍、中島健人ら)を新設。一人の総合演出が曜日全体を統括する異例の試みで、番組間の空気感共有を図ります。
帯では午前の『プチブランチ』が終了し、『滝沢カレン&和田明日香のフィーリンきっちん』がスタート。コロナ禍で『グッとラック!』に代わって『ラヴィット!』と10時台の30分枠を分けてきた枠で、料理番組は新たなチャレンジ。女性向けを謳い、料理に特化したコンテンツで差別化を図っています。
長寿番組『アッコにおまかせ!』終了後の日曜朝後継『上田晋也のサンデーQ』も生放送情報番組として注目。
独自IPの「ここだけ感」が強く、メディア露出の差別化提案がしやすい改編と言えます。

テレビ東京:経済報道の強化とニッチ深掘り——「より狭く狭く」の専門性

テレ東は強みの経済・教養領域をさらに尖らせる傾向に。
水曜23時台に新番組『日経スペシャル アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~』(若林正恭MC)をスタート。起業家インタビューで社会課題解決の思考を掘り下げます。
『カンブリア宮殿』は20年ぶりの大型リニューアル(金原ひとみ・ヒャダイン新MC)で、新鮮な経済トークへ。
独自性のあるコンテンツの開発=GP帯へのステップを見込んだ他にない企画を最優先してトライしている日曜21時『世界の給与明細』、木曜20時『~あなたの知らないNo.1~選ばれし頂点サマ』など、バラエティでも他局でやってないもの、得意分野として海外と日本を比較する企画を優先しているのが特徴。
放送と連動した多面的な展開・アニメに特化したバラエティコンテンツに強いのもテレビ東京の特徴ですが、これも強化する人事を既に稼働させ、IP開発・グローバル展開を強化しています。

フジテレビ:過去10年最大規模の変革——「ヒートMAX」で熱と広がりを生む

フジは「FUJI FUTURE UPDATE」を掲げ、全日24.2%、ゴールデン37.1%、プライム40.6%という大胆な改編率を敢行(過去10年で最大)。
キャッチフレーズ「ヒートMAX ―人の心を動かす『熱』が、新しい広がりを生む―」のもと、バラエティ刷新が最大の特徴です。
火曜19時『超調査チューズデイ』(カズレーザー・ニューヨークMC、生放送2時間)、
木曜19時『STAR』(10年ぶり本格音楽レギュラー)、
金曜『タイムレスマン』(timelesz冠、深夜からGP昇格)など、
コスパを意識しつつ熱狂を生む企画を連発。朝の帯番組も『めざましテレビ』拡大や『ノンストップ!』全国ネット化で生放送の流れを強化。
ドラマ枠は民放最多の5枠を維持し、選挙エンタメ『銀河の一票』(黒木華ら)など独自色を打ち出します。
この効率化と大胆投入のバランスは、業界のデジタルシフトを先取りした挑戦で、熱量の高い番組を通じてSNS拡散やイベント連動のストーリーテリングがしやすく、メディアリレーションを行う立場としては大注目の番組改編です。

2026年春改編の共通項は、「熱量の深化」と「クロスメディア前提の編成」です。音楽・アニメ・家族向け・経済ニッチといったジャンルで各局が自社色を強めつつ、配信やリアルイベントとの連動をデフォルト化。視聴率指標の個人・コアシフトに対応し、家族・シニア・若年・専門層へのピンポイントアプローチが加速しています。
一方で、引き続きコスパを模索する動きも顕在化。メディアリレーションをする側から鑑みると、「番組露出以上の価値創造」の機会とも言えます。
企画段階での提案や、放送後配信データを活用した二次展開が、より重要になるでしょう。

冬季五輪に続き、サッカーのW杯など大型のスポーツ大会も多く、今年は我々PR会社としては苦戦を強いられる時期も少なくないですが、この春改編は各局が「選ばれるテレビ」へ強化、ますますテレビが面白くなりそうです。

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