年間計画を立てている企業は7割超!トップを巻き込む広報計画

今までやって来たことの踏襲をしてしまう、予算が増えないから特別なことは出来ない…
広報計画をご提案する上で、よく聞かれる課題です。
予算が増えなくても、今までやって来たことを最低限踏襲した上でも、工夫は凝らせます。
一番重要なのは、上層部、出来ればトップを巻き込むことです。

トップを巻き込むと、信頼度の向上だけでなく、担当者の仕事のやりやすさに繋がる

トップが広報計画を理解し、関与するのが重要なのは、もちろん企業への信頼度の向上が最大の理由です。
リスクマネジメントだけでなく、ブランドイメージの強化、ステークホルダーとの関係強化においても、トップが広報活動に関与することで信頼を得やすくなり、説得力が増します。

ただ、最大のメリットは、広報の現場・広報担当者の仕事がしやすくなること。
私どものクライアントでも、最小限の出力で、最大限の効果が発揮できていた企業は、だいたい他部門の管掌役員や、好例の場合は企業のトップが、広報活動に理解を示し、積極的でした。

これは誤解されやすいのですが、いわゆる「トップが出たがり」ということではありません。
社内に広報活動の重要性を理解してもらい、広報担当者が社内の情報を収集しやすくするために、積極的な姿勢を示してもらっています。全社的に、「広報は重要だ」「広報活動がスムーズなことが、ひいては社業隆盛(すなわち売上)にも繋がる」と理解してもらいやすくなります。

トップを巻き込んで広報を促進

企業の広報活動においてトップを巻き込むことは、実は社外より社内に対しての方が大きな影響力を持つものです。
トップ自らが、広報活動への積極的な姿勢を保つと、ビジョンや価値観が浸透し、社員が企業の方向性を理解しやすくなります。これによって、社内の広報活動への協力度も向上します。「社長が言っているから仕方ないか…」という気持ちで広報担当者に協力していくうちに、実績を作ってしまえばよいのです。次からは気持ちよく協力してくれます。
また、社員のエンゲージメントが向上するのは言わずもがな。社員のモチベーション向上にも繋がり、会社の一体感が増します。

具体的な広報計画の立て方

この時期、既に予算取りや広報計画の立案は終わっているかもしれません。
まだ手を付けられていないようでしたら、以下のように具体的に計画を立てていきます。

1)コーポレートとしてのコミュニケーション、マーケティング(プロダクトやサービス)コミュニケーションの2軸で考え、大きなゴールを定める。
2)各部署の年間スケジュールや方針をヒアリングし、それに合わせたプロモーションの必要性やリリースのタイミングなどを大まかにプランニング。
3)KPIに沿っているかをチェックし、経営層の承認を得る。

既に立案が終了し、予算取りが終わっている企業様でも、予算内でやり直せることがあるかもしれません。
営業や商品開発以上に、広報活動はこまめな計画の見直しが可能な業務です。「ここの部署は広報関係ない」とおろそかにしているヒアリング作業はありませんか?
意外なところに広報リソースが眠っている場合があります。広報とは、まず社内の理解を深めるのが早道です。

トップを巻き込む工夫

トップは忙しい。トップは他にもやらなくてはならないことがたくさんあるのです。
でも、社業に於いて必要・重要であることを理解してもらえれば、きちんと判断を下してもらえます。
そのためには、時間を掛けずに、重要な決断をしてもらいやすくする3つのポイントを押さえましょう。

1)広報活動の重要性を理解してもらえるデータを用意
 離職率やエンゲージメントスコアなどもその一つですが、定性的に計測していない企業も多いと思います。その場合は競合・類似する企業の成功事例やリスクマネジメントの事例を提示すると分かりやすいです。

2)トップが関与しやすい場づくりと発信メッセージのサポート
 社内向けの発信の場を設けたり、メディアのトップインタビューを増やすことを計画して伝えます。自身の言葉で語る必要性が生じると、真摯に向き合わざるを得なくなるというもの。そこに時間を割かなくてもよいように、その草稿を作成し、トップが修正するだけでよいようにしておきます。

3)動機づけと継続的な関与を促進する
 成果が見えてくれば積極的に関与し、その関与を継続化させてくれるもの。社内外の反応やメディア露出の成果をレポート化し、メッセージ発信の場のバリエーションを増やしていきます。

外部が唯一出来ないのが「社内調整」

レポートの作成や、他社の成功事例の収集などは、PR会社に頼めば効果的なドキュメント・資料・データを揃えてくれます。
ただ、どんなに手厚いサポートを発注しても、社内調整だけは、広報担当者自身にやっていただかなくてはなりません。
広報は、(原則的には)KPIを売上に設定するものではありませんが、結果的に「急がば回れ」で企業の売上にもちろん貢献するものです。

その重要性を社内にフィードバックすることが、良い広報計画立案に必要な作業なのです。

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