公共放送へのパブリシティアプローチの戦略的価値

テレビパブリシティの獲得力を評価いただいているわが社ですが、パブリシティにおいて、NHKでは企業名が紹介されないため、「NHKも出来るんですか?」「NHKって企業名紹介されないですよね?どうやってやるんですか?」と疑問に思われることも少なくありません。
膨大な取材力と良質な企画力で露出によるPR効果の高い番組はたくさんあります。

PR効果における「企業名露出」と「価値伝達」の本質的な違い

確かにNHKは企業名の明示的な露出を制限していますが、パブリックリレーションズ=PRの本質は単なる「社名の認知」ではなく、ステークホルダーとの信頼関係構築です。この観点で考えれば、NHKのパブリシティにも、もちろんPR効果がありますし、NHKだけの優位性もあります。

NHKでのパブリシティ獲得の3つの優位性
1. 圧倒的な信頼性
 他のテレビ局も免許事業であり、信頼性の向上に寄与しますが、公共放送であるという事実は、より企業や事業の社会的信用を証明します。

2. 質の高い視聴者層へのリーチ
 年齢層が高いと思われがちなNHKですが、意思決定権を持つ層(経営者層、政策決定者、オピニオンリーダー)の視聴率が高いのは事実です。
 また、最近は配信や、(皮肉なことに)WEB記事やSNSでNHKの番組がバズを起こすこともあり、情報感度の高い視聴者層にリーチします。

3. 深掘りされたストーリーテリング
 綿密な取材による深い理解は、他局とは異なる圧倒的なストーリーテリングをもたらします。
 番組制作予算が異なることはもちろん、全国の支局による取材力・ディレクターだけでなく記者やアナウンサーなどレポートする取材者自身も深く内容に関わっていることも特徴です。

NHKならではの論点

企業名が出る=SP効果を追求するならば民放局の方が確かに満足度は高いですが、以下のような場合は特にNHKの価値を社内でも周知・理解してもらいやすいと思います。

決済者層へのリーチ効果
 特にBtoB企業への周知率は民放の比ではありません。また、(全国ネットの番組に限られますが)視聴できない地域が無いというのもNHKならではの効果です。
社会的認知の獲得、社会性・正当性の確立
 新規事業など、社会性・企業価値を訴求するには深いストーリーを提供できるNHKが最適です。
長期的な企業価値の向上
 ブランドエクイティの構築が目的であれば、特にNHKの価値は理解されやすいと想定されます。

具体的にどんな番組がある?

NHKはニュース番組が多いですが、企業の取材などを取り上げる番組は、現在の編成では主に3つ。
『おはよう日本』
『NEWS7』
『Watch9』
あとはドキュメンタリー(『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』)やバラエティ番組(『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』)など。
これらがどんな企業を取り上げているか、どういう観点で取り上げられているか、考察してみると、
自社の事業の魅力をどのように訴求したらよいかの視点が磨かれると思います。

メディアリレーションにおいて、短絡的な認知拡大だけがPRの目的ではないことを、NHKは教えてくれます。
「NHKで取り上げられる=社会的に意義ある企業・事業」という等式こそが、現代のステークホルダー資本主義時代における最大のPR成果と言えるでしょう。

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